幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

私には才能がないのだという現実を。詩「みんな私は知らない」。父の仕事場から家へ帰る。

 こんにちは。花子です。

 心境の変化がありました。前までこのブログをきっかけに何か書く仕事ができないか、なんて思っていました。でも私には才能がないのだと、はっきりと分かったのです。

 三島由紀夫豊饒の海を全巻読みました。そして私には考える才能があると思っていたのが間違いだったのだと気づきました。私は平凡な一般人です。そして昔はそのことに何の疑問も抱かなかったことを思い出しました。昔の自分に戻りたい、自分の想像もつかない人生を生きたい、そのどちらかの間でずっと揺れていました。でも私の本当の願いは自分の想像の範囲内で生きていくということだったのです。

 本を出版してみたり、有名人に会ってみたり、雑誌に載ってみたり、誰もが一度はそんな妄想をするでしょう。私もその一人です。でも私には今のような生活しかできません。そしてそれでいいのです。むしろそれがいいのです。なくしたくないと思うから、新たに何か得ようとするのはやめにしたいと思いました。あの賞にも全く期待していません。ただちょっと賞金の商品券がもらえないかなと思っているだけです。

 ずっとロストインタイムを聴いていますが、あまり他の人には聴かれていないようです。あんなに歌詞も曲も良いのになんでみんな聴かないんでしょう。流行ってる歌も良いとは思いますが、ロストインタイムも良いはずです。あんなに才能がある人だってあまり認められてないのだから、この才能なんてほとんど持ってない私が、有名になれるはずがないのです。いい意味で諦めて、現実を見て、これからは生きていこうと思います。このブログは私の気まぐれです。

 

 まずは詩です。

「みんな私は知らない」

あの人のこと、私はほとんど何も知らない

私の知らないところで生きている

私が知れるのはごく一部だけだ

でもそれだけでその人のすべてを知ったような気になる

私の知らないところで、私の知らない人と、私の知らないことをしているのに

 

私のすべてを知っている人はこの世にいない

私がひとりでいる時何をしているか、誰も知らない

これまでどんな風に過ごしてきたか、知っているのは私だけだ

 

私は知らないことをよく忘れる

自分の見ている姿がその人のすべてだと思い込む

本当は違うのに、すぐ忘れる

その人の中に私はほとんどいなくて、ちょっと悲しくなる

 

みんな私の知らないところで生きている

私もほとんど誰からも知られないところで生きている

私が生きていることを知ってくれる人は何人いるだろう

たぶんほとんどの人は私のことを思い出さないだろう

私はどこにもいない

ここにいるのに

 

人から認められないと生きているということにならないのだろうか

この世にひとりになったら、生きていても意味がないのだろうか

でも誰かいる

私のそばにはいつも誰かがいる

この世のどこにも私はいないわけではない

誰かの中に私はいる

 

その人のすべてを知らなくても、同じ時間を少しでも共有できたら、それでいいじゃないか

その人の中での私の位置付づけが、たとえ低いものだったとしても、悔しがることはない

私の中でだって、その人の位置づけは低かったりするもの

ほとんどみんな、そのすべてを知られない

知ってほしいと思う間もなく死んでいく

ほとんどの人はこの世に自分が存在しているのか、いないのか、考えることはない

人の中に存在してはじめてこの世に存在しているのだと言える気がする

私はどこにもいない、と思う一方で、色んな人の中に少しずつだけどいる、と思う

今この瞬間誰も私のことを思い出さなくても、また会えば私のことを思い出してくれる

 

人の中に入らないと生きていけない

人が生きるということは、そういうことだ

誰かに助けてもらわないと生きていけない

この世で生きるとは、そういうことだ

助けたり、助けられたりして生きている

 

私も知らない誰かのことを考えている

でもこの世のすべての人のことを考えられはしない

みんな私の知らないところで生きている

私の言葉で誰かを救えたらいいのに

知らない誰かを助けられるような人になりたい

 

私は何も知らない

そのことを時々思い出す

私が何かを知っていたからって、どうなんだという話だが

みんな、みんなの知らないところで生きているのだ

この世で生きるってそういうことなんだろう

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 父は毎日何を食べるのかにも頭を悩ませていたみたいです。洗い物も2階の台所の流しは使えなくなっているので、下の小さな洗面所でしなければならず、大変だったと言っていました。このまま父の仕事場に居続けるのなら、和民の宅食でもとろうかと考えていたようです。

 でも私はあまりの寒さに耐えきれなくなって、母に

「もう家に帰りたい」

と電話しました。すると母は

「いつでも帰っておいで。ここは花ちゃんの家なんだから」

と言ってくれました。てっきり母は私を避けようとしているのだと勘違いしていた私は、これを聞いてすごく嬉しかったです。だから家に帰ることにしました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは鳴りを潜めています。震えも変顔も少しになりましたが、かえってそれが不気味で怖いです。本当にこのままいなくなるのでしょうか?いなくなってほしいなぁ。