幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

詩「人間関係」。Iさんにおねえさんからもらった髪留めを見せる。

 こんにちは。花子です。

 

 まずは詩です。

「人間関係」

別に人間関係に悩まなくてもいいと思う

あの人がああ言ったのはどういうことだろうとか、こういう態度なのは私がこう言ったからだろうかとか、考えだすとキリがない

ああ思われてたらどうしようとか、嫌われていないかなとか、私のことどう思ってるんだろうとか、様々な思いが浮かんでくる

悩みすぎて体に害になることもある

でもそんなことで命を危険にさらす必要はない

 

別に人からそんなに好かれなくてもいいじゃないか

ひとりの人に嫌われたって、他に好いてくれる人を見つければそれでいいじゃないか

人気者になれなくたっていい

誰かひとりでも好きになってくれれば、それでいいのだ

 

最悪誰ひとりとして好きになってくれる人がいなくても、自分には自分がいる

自分だけは自分の味方だからとなぐさめてみるのはどうだろう

かなり虚しい気もするけど、自分だけでも自分の味方でいられたら、それで満足できれば、そんなにいいこと他にないと思う

 

どうせ死ぬ時はひとりなんだ

どんなに仲良くしている人がいても、一緒に死ねるわけではない

だからといって人と関わることを否定しているわけではない

仲の良い人はいるに越したことはない

 

でも私は場の中でだけで仲良くできればいいと思っている

メールや電話などをして、場の外でもつながり合いたいとは思わない

場の外で仲良くなっても、場の中で仲良くできなかったら、意味がないんじゃないか?

 

私は今すべての人と縁が切れても、それはそれでいいと思っている

今までも、場がなくなったら切れてしまった縁ばかりだ

家族だけは絶対に縁が切れないから、他の人とは切れてしまっても、別にいいのだ

人との縁なんて自分だけでどうにかなるものではないじゃないか

だからひとりで思い悩まなくてもいいと思う

 

縁なんていつ切れてもおかしくないものだ

縁が切れてしまわないかとビクビクしているよりも、自分は気の合う人としか仲良くしないと決めていたら、案外仲の良い人ができてくるかもしれない

 

いつ誰に嫌われてしまってもいい

私はもう人間関係で悩みはしないのだ

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 部屋が変わりました。観察室から2人部屋へと移ったのです。それまで観察室で一緒だった人とまた同じでした。この人は相変わらずこっそりケイタイで誰かと話をしていました。

 入院生活とは暇なもので、私は普段気にすることもない見かけも気になるようになりました。だからポニーテールにしたり、おさげにしたりしていました。するとあのおねえさんが私に髪留めをくれました。おさげの時はうまく留められなかったのですが、ポニーテールの時はゴムの上の方に留めていました。

 看護師のIさんから声をかけてきたのか、そうでないのかは忘れましたが、私はIさんに

「これ内緒ですけど、〇〇さん(おねえさんの名前)にもらったんです」

と言いました。Iさんは

「本当は駄目なんだけど、内緒ね」

と言ってくれました。

 ちょっと違う髪型にした時Iさんに見てほしくて、

「Iさん見てください」

と言って頭を見せました。するとIさんは髪留めを見てほしいと言っているのだと思ったらしく、

「さっきも見たよ」

と言いました。私は

「髪型が違うんです」

と言いました。Iさんは

「そっか、そっか。かわいいよ」

と言ってくれました。

 お風呂から出た後、新しい部屋の前にある洗面台で髪を乾かしていました。すると隣の部屋からサングラスをかけた女の人が出てきて、

「悪いけど、洗面所で乾かしてくれるか」

と言われました。私は気遣いができなかったことが悲しく思いました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは前よりだいぶましになりました。震えも少なくなったし、変顔もほとんどなく、ただちょっとストレッチの時に体を震わされるくらいです。右手も震えますが。良くなる時は一瞬なのでしょうか。もう少しで完全に自分を取り戻せます。嬉しいことです。