幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

詩「雪」。おばあさんと仲良くなった話。

 こんにちは。花子です。

 

 まずは詩です。

「雪」

ふわふわ舞う

雪ふわふわ舞う

窓の外を雪がふわふわ舞います

私の心もふわふわ舞って、私の言葉がまるで雪のように、人の心にすばらしい景色を見せたらいいのにと思います

 

ふわふわ舞う

雪ふんわりとける

地面へ着地した雪はふんわりとけてしまいます

私もそんな風にとけていけたらと思っていました

雪のようにあとかたもなく消え去れたらどんなにいいかと思っていたのです

今でも私の終わりは体ごとすべて一瞬で消え去れたらと思っています

でもそんなことを願うのはもっとずっと後のことです

今は消え去ることなんて考えず、ただ空中を舞うことを考えるのがいいのでしょう

 

ふわふわ舞う

雪ずんずん積もる

降った雪はとける前にずんずん積もります

私の心にも思いがずんずん積もります

人の心にも私の思いが降り積もって、私の断片がそこに生きるということになります

人の心の中で私が生きていくのです

心の中に積もった思いを消し去ってしまいたくありません

 

だけど

ふわふわ舞う

雪どんどんとける

雪はいずれとけて消え去ってしまいます

そして川に流れこみ、海へと流れ去ってしまうのです

私の思いは雪のように流れて行ってしまうのでしょうか

いや私の思いはとけてはなくなりません

私の思いはきっと冷たいものではなく、温かいものだから、とけずに人の中に残るでしょう

 

雪のようにきれいな景色をつくり、かまくらのように人の心を温める、そんな私の言葉たち

私の言葉はそんなものであってほしいと思います

私の言葉でなぐさめられたり、力づけられたり、そんなことがあってほしいものです

 

雪のように降っても、決して消え去ってしまわない私の思い

人の中で生きたい、そんな私の思い

どうかみなさん私の思いを受けとってくれませんか?

そうして私はこの世界で生きていきたいのです

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 病院で仲良くしてくれていたおばあさんは、右か左か忘れましたが、中指と薬指がありませんでした。それでも裁縫はできるみたいで、作業療法士さんに教えてもらって、

「これ縫ったのよ」

と言って見せてくれていました。

 このおばあさんは寝汗がひどいと看護師さんに訴えていました。でも看護師さんは

「昨日の夜見たけど、汗かいてなかったよ」

と言っていました。これは私がまだ幽霊にいやがらせをされていた時で、私が元気になる頃にはおばあさんも寝汗のことが気にならなくなっていたんじゃないでしょうか。

 観察室は詰所を挟んで2つありました。私が自殺未遂した後、私ひとりで一部屋使わなければならず、このおばあさんは向い側の観察室に移りました。それ以後のことは知りません。このおばあさんの方が先に入院していましたが、私よりも後に退院しました。

 おばあさんはよく

「洗濯機に洗剤入れるの忘れたの。馬鹿でしょう」

と言っていました。私は

「いや、いや」

とぐらいしか返事ができなくて残念でした。

「新しいのなら途中で開けられるんだけど、古いのだったら開けられないのよ。これでまた水洗いよ」

と言っているのを何回か聞きました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんはだいぶ少なくなりました。このままならきっと今年中にはいなくなるんじゃないでしょうか。足の震えも少なくなったし、変な顔にさせられるのもほとんどありません。ただ右手の震えはまだ結構あります。幽霊さんがいなくなれば薬も減るだろうし、日常生活ももう少し楽にできるんじゃないでしょうか。やっと希望の光が見えました。私はきっと楽な人生をこれからは生きることができるのです。