幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

詩「みんな人生の主人公」。おねえさんとおばあさんとトランプで遊ぶ。

 こんにちは。花子です。

 

 ちょっと何もする気が起きなくて、一回お休みしてしまいました。すみません。何事にも無理なく取り組もう、と思って生きているので、これからもちょくちょく休むかもしれませんが、ご容赦ください。本当はもっと休む、もしくはもう辞めてしまう、というところまで考えが進んでしまったのですが、急に書きたくなったので、書くことにしました。ほんの僅かでも見てくれている人がいるので、ちょっとは頑張れたらいいかなと思います。

 

 まずは詩です。

「みんな人生の主人公」

人生という自分の物語を生きているのは私だけだと思っていた

よく「自分は自分の人生の主人公だ」というのを聞いていたけれど、私の頭には入ってこなかった

みんなそれぞれに考え、思い悩み生きているということが分からなかった

街を歩いている人は、私の人生の登場人物で、ただの背景、風景なのだと思っていた

店員さんはただ料理を運んだり、レジを打ったりしているだけのロボットのように感じていた

何かを思ったり考えたりして生きているようには思えなかった

 

ただ周りを見ているだけの人生から、何かをしなければならない人生へと変わった時、みんなもそれぞれに生きているのだと知った

それまで私は生きているとは言えなかったかもしれない状態だったのだが、みんなと同じ土俵に立ってみて、はじめて生きるということをしだしたような気がする

私の人生はそこから始まったのだ

 

ずっと受け身で、言われたことをやっていただけだった

主体的になんてできない状況にあった

自分の人生が決まってないことをはじめて知った

それまではなんとなくみんなと同じ道を行くのだと思っていた

それができない自分がいたことを知っていたようで、知らなかった

周りばっかり見て、自分を変えようとしていたけど、変えられるはずがないじゃないか

自分が一番自分自身を見ていないといけないんだ

自分を見たら、今まで見たくなかったところも見えだした

それはこの世で生きていく上で必要なことだった

 

私にはできないことがたくさんある

やりたくないこともたくさんある

それが自分の努力次第でできるようになるし、やりたくなるような気がしていた

でもどんなに頑張っても嫌なものは嫌なんだもの

変えられないよ

みんな努力次第で自分を変えられるのなら、どうしてこんなに引きこもりや自殺者が多いんだ?

 

自分の体も心も自分の思い通りにはならない

生きたくても生きられない人もいるし、死にたくても死ねない人もいる

色んな人の色んな人生があるが、私の人生は絶対に不幸じゃないと信じたい

不幸な人生を歩む人もいるけど、私はいつでも幸せでいられるように努力したい

 

苦労して今まで生きてきた、なんて言うと聞こえはいいかもしれないけど、要は不幸だっていうことだろう?

なんの苦労もしない幸せな人生を生きたいじゃないか

幸せに生きて幸せに死んでいけたら、そんな良いこと他にないよ

 

これからも私は自分の人生という物語の主人公として生きていく

幸せだったと死ぬ間際に思えるような人生を歩んでいくつもりだ

みんなそうやってひとりひとり自分の人生を生きているのだろう

みんながそれぞれに自分の思い描く人生を生きていければ良いのだが

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 私も治ってきたと判断されたみたいで、私だけだった部屋にもうひとり患者さんが入ってきました。この人はおとなしい人で、病院内ではケイタイを使ってはいけないのに、こっそりと電話をかけていました。この人とは観察室を出た後も同じ部屋になります。

 ある時看護師のTさんが検温の後、

「今日の担当のTです。今日も一日よろしくお願いします」

と同じ部屋になった人に言いました。私には言わずに立ち去ろうとするので、

「私にはないんですか?」

と言いました。するとTさんは同じことをもう一度私に言ってくれました。私も同じ部屋になった人もTさんも笑っていました。

 デイルームにいてたら、近くで患者の男の人と女の人がオセロをしていました。私はこのおねえさんとオセロがしたくて、

「オセロしてもらえませんか?」

と頼みました。するとこのおねえさんは男の人に

「やってあげて」

と言いました。私はこの男の人とオセロをやりました。このことをきっかけにして、このおねえさんとの付き合いが始まります。自殺未遂の時私を見つけてくれたおばあさんも私と仲良くしてくれました。

 よくご飯を食べた後、おねえさんとおばあさんと3人集まってトランプをしたりしていました。やっていたと言っても、トランプのカードが揃っていなかったので、ちゃんとはできていませんでした。でも3人で遊んでいたら楽しかったです。それでもトランプがちゃんとできないことが少し苦痛で、

「しんどいので部屋に戻ります」

と言うと、2人は

「いいよ、いいよ、休んできて」

と言ってくれました。この遊びもなんだかんだであまり長くは続かなかったのですが。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんはだいぶましになりました。時々手は震えます。時々変な顔にさせられます。ごくたまにしんどくならされます。それでも前よりはずっといやがらせが少なくなりました。この調子で徐々になくなっていったらいいなと思います。あともう少し、もう少し、なんだけどなぁ。