幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

幽霊じゃない、自分の中のどん底。家族にの子さん達のことを明かす。

 こんにちは。花子です。

 

 私は自分の中でのどん底を見てきたような気がします。幽霊さんのことではありません。幽霊さんが入ってくる前のあの2年間に私はどん底を経験したのです。側から見れば私はどん底にいるようには見えなかったでしょう。でも私は自らひとり知らないうちに底へと下りていった時があったのです。

 涙が止まらないこともありました。泣き叫ばずにはいられないこともありました。イライラして、体調も良くありませんでした。便秘も治らないし、起きられないし、何もできない時期が続きました。どうしたら治るのか分からずに、自分の中を整理しようとして、ノートに思いを書きまくっていました。そのノートは今でも大事にとってあります。

 夜に寝るのに起きるのは昼頃、そうなったら夜になっても寝つきにくく、深夜に寝てやっぱり昼に起きる、そんな生活をしていました。そしてとうとう昼夜逆転です。そんな生活をしていたら、父に注意されかけましたが、私が泣いて今はこれで精一杯なのだと訴えると、あまり何も言われませんでした。母が来てくれて泣いてる私を慰めてくれたのです。両親は私は大丈夫なのだと分かってくれていると思っていたのですが、この時違うのだと知りました。

 私だって父のように朝起きて夜寝るという生活が何の苦もなくできるのなら、とっくにやっていました。でもなぜかできなくなっていたのです。いくらでも寝られました。と言うより起きられませんでした。兄が

「花ちゃんが死んでるんじゃないかって、一瞬心配になったよ」

と言っていました。それくらいよく寝ていました。

 夜は寝られなくて、本を読んでいたこともありました。ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」です。この時は夢中になって読みました。あの時のことは今でもよく覚えています。そしてバナナチップやナッツやパンなどを食べる習慣がついてしまい、なかなかやめられませんでした。この頃ちょっと過食気味になっていました。この頃つらくはあったのですが、ひとりの時間を楽しんでいるようなところもありました。でも今から思えば誰かと関わることの楽しさを忘れていた時期だったと言えるでしょう。

 私はひとりでいたい人間なのだと思っていました。学校でもひとりでいることが多かったのです。でも本当は誰かと関わって楽しみたいと思っていたのでした。今は家族とも仲が良いし、デイケアでも人と仲良く話したりしています。私はかつてなりたいと思っていた自分になれてるんじゃないでしょうか。もうそんなにイライラしません。心穏やかに毎日を過ごせています。これからも私は自分のなりたい自分になれるように生きていくつもりです。

 

 さて、いつものです。

 とうとう家族に幽霊のことを明かすことになります。と言ってもこの時は幽霊だとは思いもよらず、選挙から帰ってきた両親にただ

「しんどい」

と言いました。すると2人は

「そうか、しんどいのか」

と、やっと言い出してくれたかという感じで言いました。

 それから私の周りには色んな人がいるのだと説明しました。それを2人はそうか、そうかと聞いてくれました。そんなことはあるはずがないなどとは一切言いませんでした。

 私のパソコンがハッキングされていると証明したくて、私の使っていたパソコンと母が使っていたパソコンを2つ並べて、神聖かまってちゃんのライブ日程を見ました。母のパソコンには終了の文字があったのに、私のにはありませんでした。

「確かに違うな」

と父は言っていました。それはただ私がページの更新をしていなかっただけなのですが、この時はそれがハッキングの証拠だと思っていました。

 ハッキングは実際に会えた時にやめてくれるのだとよしのさんあたりが言っていた気がしていました。だから

「ハッキングはちゃんとやめてくれるって」

と言いました。父は何か言っていましたが、もう忘れてしまいました。

 今度は母に神聖かまってちゃんの動画を見せました。すると兄が

「聴いてるの?」

と言ってきました。この時私はの子さんの曲にはどんな意味があるかとか、すごく大事なことを見せようとしているのであって、ただ聴いているのではないんだと思っていました。少し兄に反発心を抱きました。

 母に感想を求めました。

「どう思う?」

と訊きました。母は

「かわいいと思う」

とか言っていたと思います。とにかく私の求めるものーそれが何だったかは分かりませんがーとは違っていたような気がします。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは特に変わらずです。いつも通りガクガクと震えがあります。いつもと同じすぎて、特に書くことがありません。診察でも特に言うことがないので、診察は5分ぐらいで終わっています。いなくなれば報告します、って言う感じで、診察を幽霊さんがいなくなるまで中断したい、って言うくらい幽霊さんはいなくなりません。幽霊さんさえいなくなればもっと楽に生きられるんでしょうけどねぇ。まあ、「覚悟」です。