幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

自分に過度に期待しない。詩「浮かんでこない」。I病院外来受診。

 こんにちは。花子です。

 自分に過度な期待をするのをやめました。普通に働くことも、詩人になって本を出版することも、全部諦めました。私はこのままの自分でも十分幸せに生きられるのです。かつての私が望んでいたこと、それはいっぱいありますが、たぶん今のような自分でいられること、そんな感じだと思います。全く知らない他人と、少しですが、話をすることができるようになったし、擦れ違い際の挨拶も普通にできるようになりました。たぶん今の自分なら困っている人を助けることもできるかもしれません。できないかもしれませんが。とにかく昔思い描いていた理想の自分になりつつあるのです。

 自分は本当はこんなんじゃない、こんなんじゃないはずなのに、そう思って学校に行っていました。たぶん心のどこかで本当の自分はこんなんだというのがあった、というか実は知っていたのだと思います、今の自分のような人間なのだと。私はかつて自分にこんな自分になりたいから、私はできる人間である、とかそういうのを必死に言い聞かせていました。でもその時は全然なれる気がしませんでした。だってこんな自分が今は変えられないという思いで頭がいっぱいだったのですから。

 未来なんて見えません。それはいつまで経っても変わりませんが。だからと言って悲観してても現状は変わりません。でも楽観的になれるほどの余裕はありません。私は何をどうやったかは分かりませんが、努力してたらしんどくない自分になれました。努力することは苦しまなければならないことではありません。どうしたら自分が心地よくいられるようになるかを考えることだと思います。その過程でどうしても苦しみがつきまといますが、ゴールは楽な自分、であっていいと思います。

 なんて言いつつも、楽な自分になろうとすることができない環境にいる人もいっぱいいるでしょう。私はストレス源はほぼありませんが、働かないと生きていけない人はどうしたらいいのでしょうか。仕事を辞めてしまえばいい、そんなこと簡単に言えますが、現実はそういう訳にもいかないでしょう。地獄はあの世にだけあるのではありません、この世にもあるのです。なんて私は天国で生きているようなものですが。こんな私が何を言っても何の説得力もありません。でも自分を楽にできるのは自分しかいない、それは事実だと思います。だからどうかこの世に生きる人が自分の思う良い人生を送ることができますように。

 

 それでは詩です。

「浮かんでこない」

考えが浮かんでこなくなった

しんどい時はあんなに色んな考えが浮かんできていたのに

たぶんもう治ってきたっていうことだろう

昔のように何も考えずに生きられている

でもそれもなんだか寂しいものだ

頭の中がからっぽな気がする

 

思えばあの頃から何も考えずにいられたことがあっただろうか

苦しみから逃れるために、必死になって考えてきた

後から役に立つとか立たないとか関係なく、その時必要だったのだ

いつか楽になって、今の私みたいに、ボーッとできる日が来るのを心待ちにしていた

なってみてはじめて分かった

新しい考えが浮かんでこないことが

私の密かな夢、詩人になるという夢がはかなくも消え去ろうとしている

新しい考えが浮かばないのなら、過去のノートから拾ってきて、それもなくなったら、本当にもうおしまいだ

 

ぼんやりしている

今日のこともすぐに忘れてしまいそうだ

前までは1秒1秒を意識して、頭を働かせていたのに

生きてるだけでいいと言われているが、私は本当にそれでいいと思っているのか、自分でも分からない

 

私だって何かを生み出したい

たとえ夢が叶わなくても、死ぬ間際、私は実は詩人でしたと言えるようになりたい

そして私の詩が世間に認められるようになりたい

でも死んでから有名になっても意味がないとは思うのだが

まあ有名になれるとは限らないし

ただの紙切れとして捨てられるだけのような気もするから

 

本当はこんな自分を望んでいたんだよ

ずっとこうなりたいと思っていたじゃないか

どうしてそのことでまた苦しむ?

上を見ればキリがない

良くなるとまた上の理想ができてくる

どうして前の理想が実現しただけで満足できない?

人間ってそういうものだろうか

 

でも今の自分になれて本当に良かったと思っている

これなくしては生きられない

今より落ちることはないだろうけど、落ちないように頑張りたい

いつかまた歩いてる時とかに、新しい考えが浮かんでくるかもしれないし

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 病院に行く時、駅から私はバスを使わずに歩いていくことにしました。するとコンビニの前で看護師さんがタバコを吸っていました。

「外来ですか?」

と訊かれたので、私は

「はい、そうです」

と答えました。それからあのおねえさんが歩いてくるのが見えました。向こうは気づいていなかったので、なんとなく声をかけるタイミングがつかめず、何も言いませんでした。

 1回目の外来は時間がギリギリで少し走ったりもしました。だからすぐに外来の待合室に行きました。2、3回目は少し時間に余裕をもたせて、診察の前に私が入院していた病棟へ行ってから診察を受けました。病棟へ行こうとしたら、一度だけあのおばあさんに会いました。OT室に行くところだったようです。

 病棟へ行き、看護師さんにあのおねえさんに会ったけど声はかけなかったと言うと、看護師さんは私の話の途中まではかぶりを振って聞き、言い終えるとその方がいいとうなずいていました。

 看護師のMさんとIさんのところへ行き少し話していたら、2人は少し離れたところにいたTさんの方を指差して、そっちに行ったらどうかという素振りを見せました。だから私はTさんのところに行きました。

「今ヨガやってるんですよ」

とTさんに言うと、

「眠気をとるヨガ教えてほしいわ」

と言っていました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは前よりだいぶ良くなったと思います。毎年あった寒い時のガクガクがほとんどないのです。今日はほんの少し出ましたが、それもすぐなくなりました。手足の震えや変顔はまだ少しあります。まだ「今日一日幽霊さん出なかったなぁ」と言える日はありませんが、もうすぐしたらそんな日もやってくるでしょう。もう幽霊さんは本当にいなくなるしかないのです。この願いは必ず叶う、そう信じて今を乗り切りたいです。