こんにちは。花子です。
まずは詩です。
「お願い」
お願い、いなくなって
お願い、消え去って
幽霊さん
お願い、いなくならないで
お願い、消え去らないで
お父さん、お母さん、お兄ちゃん
私は神にお願いします
どうか私の願いを聞き入れてください
幽霊さんがいたらつらいのです
家族がいなくなったらつらいのです
だからどうかいなくなってください
だからどうかいなくならないでください
幽霊さんはいつかはいなくなるだろうけど、もしかしたら一生一緒かもしれない
家族は絶対にいつかいなくなる
私の願いは聞き入れられるか分からない
と言うよりむしろ聞き入れられないんじゃないか
神がいて、この世のすべての人の願いを聞き入れてたら、この世は成り立たないよ
あの人には生きていてほしいと思う一方で、別の人には死んでほしいと願うかもしれない
でも私は願わずにはいられない
幽霊さんには一刻も早く私の中から出て行ってほしいし、家族にはずっと一緒にいてほしい
幽霊さんにはいやがらせをやめてほしいし、家族にはせめて私がその死を受け入れられるようになるまで生きていてほしい
お願い、もうあなたは死んでるんだよ、幽霊さん
お願い、まだまだ死んじゃ駄目なんだよ、お父さん、お母さん、お兄ちゃん
いなくなったら嬉しい
いなくいなったら悲しい
いたらうっとおしい
いたら楽しい
私の周りにいる人はいたら嫌な人といなくなったら嫌な人
私を殺しにかかってくる人と生かそうとしてくれる人
幽霊さんは私の人生をメチャクチャにする
家族は私の人生を豊かにしてくれる
みんなからその存在を否定されてもまだ私の中で生きようとする
それが幽霊
私の人生の汚点
どうして入らせてしまったのだろう
それでも私が生きていられるのは家族がいるから
私の苦しみを分かって、支えてくれる
家族は私の人生の美点
どうしてこんな私の側にいてくれるのだろう
私には幽霊はいらなくて、家族は必要不可欠
だから本当にお願い
私のために死んで、私のために生きて
それ以上私は何も望むまい
詩はここまでです。
次はいつものです。
幽霊のいやがらせもちょっとずつですが減ってきて、拘束されている時間も少なくなってきました。
ある時、兄と母だったか、兄と父と母だったか忘れましたが、来てくれたことがありました。兄はその時りんごをひとつ置いていきました。だんだん体の異常も減ってきていたので、私はそのりんごをかじってみようと思い、かじりました。本当はりんごのシャリシャリ感がちょっと苦手だったのですが、この時はそのりんごを4分の1ほどかじりました。そして元の場所に置いておきました。すると担当の看護師さんが主治医の先生と来て、
「見てください、りんごかじってるんですよ。アクティブになってきましたね」
と言いました。先生は
「そうですか」
ぐらいで、看護師さんのようには喜んでいませんでした。
まだ拘束があった頃だと思います。時々は拘束を解いてくれていました。ある時早く外に出たくて、病室の開かない窓のようなところに行き、指でガラスをなぞっていました。するとそれを見た看護師さんが
「どうしたの?何か見えるの?」
だったかは忘れましたが、そんなようなことを訊いてきました。私は
「大丈夫です」
と言いました。後から父とその看護師さんがまた病気がぶり返したんじゃないかと心配していたそうです。
私の見舞いには父がよく来てくれていました。家族が来た時は拘束は外してくれていました。
この頃幽霊のいやがらせは体のぞわぞわ感だけになっていました。ぞわぞわ感というのは体の内側から何かがぞわぞわしている感じでした。それがとてもつらくて、父によく
「だっこして」
と言っていました。私がベッドに座り、父が椅子に座って、肩と肩が触れ合うくらいでしたが、よく抱き合っていました。
この頃はぞわぞわ感がいつかなくなるなんて思いもよらず、絶望的な苦しみに耐えるのに必死でした。頓服もしょっちゅうもらっていました。たしか1日に2回までだったと思うのですが、液体でちょっと苦い薬を、
「気持ち悪いって聞こえます」
と嘘をついてもらっていました。この体の異常は薬ではなくならない気がしていましたが、何かをせずにはいられなかったのです。
今日はここまでです。
最近の幽霊さんは、この前全身のガクガクがひどすぎて、泣いてしまいました。みんな寝てたので、ひとりで泣いて、泣き疲れて寝ました。翌日目がパンパンに腫れていて、家族に心配されました。そんなことがあっても幽霊さんはいやがらせをやめません。いやがらせだと思ってないのでしょうか。もう存在自体がいやがらせなのに、お頭の中で何回もそう言ってるのに、幽霊さんはいなくなりません。本当に幽霊さんはいなくなるのでしょうか。だんだん信じられなくなってきました。それでも願わずにはいられません、幽霊さんのいやがらせがなくなることを。
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