幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

あの人は浅い、などという勘違い。K君は悪くないと証明しないと、、、。

 こんにちは。花子です。

 

 ある人がこんなことを言っていました。

「この前YouTubeを見ていたら、尾崎豊がたまたま出てきて、聴いてみたけど、浅いね。働いたことのないやつには深みのある歌詞は書けないよ。本当に尾崎豊は浅いね」

 それじゃあその人が深いのかと言うと、私は深くないと思います。聴いてる音楽だって、流行りのたいして深くない歌詞のものばかりです。それなら尾崎豊の方がよっぽど深いと思うのですが。

 それにその人に尾崎豊よりも深い歌詞が書けるのかって言うと、書けません。何にも書けないのに、見下しているのです。自分が人より大変な思いをしてきて、人よりも経験があるから、普通の人やそれ以上の人でも、自分より低いのだと思い込んでいるのです。その人はたいしてすごくありません。だってその人と同じような経験をしている人は、この世にたくさんいるのですから。

 勘違いすることは誰にだってあることだと思います。世間を知らないから、自分と少しの人の狭い世界の中で、自分は人にできないような経験をしてきた、だからみんな自分より低いところにいて、浅いんだ、なんて思い込んだりするのです。

 自分を見極められている人はこの世にどれくらいいるのでしょう?自分の経験が大したことないなんて思える人は本当にいるのでしょうか?自分が狭い世界にしか生きてないと知ったら、自分の小ささに気づくことができるでしょう。自分はそんなに大きくありません。私も自分の大きさがはっきりと分かっているわけではありませんが。

 どんな人でもそんなに大きさは変わらないはずなのに、人がつけた価値観で、すごく大きく見える人や、すごく小さく見える人がいるような気がします。私は小さい方だと思います。だって私にできていることと言えば、洗濯と料理とデイケアに行くことぐらいだからです。でも私が認められて、多くの人が私を知ることになれば、人から見た私は多分大きくなるでしょう。実際はたいして変わらないのに。

 私は変わりません。どんなことがあっても。勘違いはきっとしないでしょう。それが私だからです。この世界は自分が思うよりずっと広いのだと自分に言い聞かせて生きています。狭いところしか見えてない目を広いところから見るように意識しています。物事を様々な角度から見るようにしているのです。と言いつつ私に人の批判ができるかというと、できないものだと思います。

 でもさっき言ったあの人のことは、どうしても低く見てしまうのです。だってあまりにも勘違いがひどいからです。自分がすごいと思う人ほどすごくない人はいません。その人は教祖になりたいなんて言うのです。信者なんてひとりも集められないくせに。

 とにかく私は驕らずにこれからを生きていきたいのです。私はちっともすごくありません。私を、そのままの私を見届けられるのは私だけなのです。だから自分を大切にして、等身大の私で生きていきます。

 

 さて、いつものです。

 なぜか陰部や乳首を刃物で切られるという想像が浮かんできました。私はそれはK君がそういう想像をしているから、それが私の頭の中に入ってきて、私がK君に痛めつけられているのだと思っていました。

 それから私はこう思うようになります。それはK君が自分は悪くないのだとNさんに証明しなければならないと思っていると思ったのです。

 前にも書いた通り、K君とNさんは付き合っていると思っていました。現実の世界では2人とも何事もないかのように振る舞っているのだと思っていました。しかしこちらの世界、つまり実体のない魂のような存在ではK君はものすごく悪い人になっていました。現実では良い人、でも本質は極悪人というのはK君にとって駄目なことなのだと思いました。

 こちら側のK君を良い人にしないといけないと思うようになりました。Nさんの中にあるK君の悪いイメージを無くさないといけないと思ったのです。

 私はK君が悪くないのだと証明するために、大きなスケッチブックに私の頭の中に浮かんできたことを書いたりしていました。K君が悪いのではなく、私がK君を悪者にしてしまったのだ、だから悪いのは私だという風に思おうとしました。

 でも幽霊のいやがらせを思うと明らかに悪いのは私ではありません。それでもNさんにK君が悪くないということを証明できないとこのいやがらせはなくならないのだと思っていました。とにかくこの苦痛から逃れたい、その一心でした。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは相変わらずです。だから診察でもたいして言うことがありません。日常生活のことを言って、それで終わりです。毎日ガクガクはあるし、震えだってなくなりません。それでも毎日楽しく生きられるように努力しています。デイケアの書き初めで「覚悟」と書きました。幽霊さんがこの先いなくならなかったとしても、その覚悟を持って生きれば、少しは楽に生きられるんじゃないか、と思ったのです。病気は一生付き合っていく、その「覚悟」で生きていこうと思います。