幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

もう堕ちていかない。家族にK君達のことを打ち明けてから、病院に行くまで。

 こんにちは。花子です。

 

 いつだってこれ以上堕ちていかないようにと必死でした。本当に堕ちていきそうで怖かったのです。そして実際、一時期私は堕落していた時がありました。何もできなかったけど、なんとかしなくてはと思って、ノートに思いを書いたり、外を歩いたりしていました。今みたいに楽になれる日が来るなんて思いもよらず、でもそれを目指して、ひとり頑張っていました。あの時はどうしたら楽になれるか分からなくて、一生これが続くのかと愕然としていました。本当に楽になれるか分からないくらい、しんどかったのです。

 今私は前より元気になりました。10年ほど前のあの苦しかった時や、2、3年前のあのしんどかった時より、体が楽になりました。母にそれを言うと、自然治癒力が働いているのだと言われました。しかも、花ちゃんがいつも言うように、とも言われました。私はよく自然治癒力とか言っていたのでしょうか?ちょっと記憶にありません。でも治りたいと思って努力してたら、本当に治ってくるのかもしれません。この世の全ての人に当てはまるわけではないとは思いますが。でも少なくとも私は前より確実に良くなっています。

 幽霊さんのこともそうですが、私自身もだいぶ良くなりました。こんな生活を望んでいたとは思うのですが、実際になってみると、ちょっと驚きです。願いは叶えられるものなんでしょうか。このままいけば、幽霊さんはいなくなるし、私も毎日元気に過ごせます。そうしたら私は毎日散歩に行ったり、文章を書いたり、読書したり、好きなことが好きなだけできます。そうなるにはもう少し回復しないといけませんが、もっと良くなったら、もっと生きていたいと思えるはずです。悪くなることはないと母はよく言いますが、私もそれを信じてこれから生きていきたいです。そう信じられたら、本当に良い人生を送れるでしょう。

 自分の人生は全て自分の思い通りにはなりませんが、大部分は自分で作り出すものだと思います。思い通りにならない中、どういう行動をとるかで人生は決まるのです。私は自分にとって生きやすい生き方で生きていきたいです。自分のために自分にとって良い生活をしたいのです。そのためには周りにいる人を大切にしていかなければなりません。家族や友人を大切にしないと、良い人生を生きているとは言えないでしょう。人はひとりでは生きていけないのです。私は今の家族と生きられる時間を大切にして、将来ひとりになったとしても、寂しくないくらい思い出を作っていこうと思います。楽しい思い出が多い方が寂しくなりそうですが。

 とにかく私はもうこれ以上堕ちていきません。そんな気がするのです。

 

 さて、いつものです。

 前に風呂に入った時、のぼせて気を失いそうになったことがありました。それはK君が私の心臓をドキッとさせていると思っていた時で、そのせいで気を失いそうになったのだと思っていました。だからこの夜風呂に入る前は

「また同じことはしないでくださいね」

と壁に向かって喋っていました。この日は何事もなく風呂から出てこれました。

 この晩ではなかった気がするのですが、風呂上がりに絵を描いていました。小山田壮平さんに会えたら渡そうと思って描いていたのです。すると幽霊が私の顔をイーッという感じに歪めました。壮平さんがいると思っていたところに目をやると、そこでも顔が歪みました。壮平さんが私のことを良く思ってないのかと思い、描いてた絵は破り捨てました。壮平さんは私のことを悪く思っているのかと不安になりました。

 K君達のことを打ち明けた日の風呂上がりに、私は漫画を読みながら頭の中で誰かと会話している気になっていました。だからすぐそばにいた父に

「読みながらでも会話できるんだよ」

と言いました。すると父は

「そうか」

と言っただけであんまり何も言いませんでした。の子さんやK君達と頭の中でつながり合えていると思っていたので、私が漫画を読めばその内容が私の周りにいると思っていたみんなに伝わると思っていました。

 母の部屋に布団を持っていきました。その間ずっと幽霊のいやがらせは続いていました。寝ようと思ったのですが、幽霊が私の体をガクガク震わせてきて寝られないので、

「やっぱり自分の部屋で寝るね」

と言って、布団を自分の部屋に戻しました。

 スケッチブックに考えを書いて、なんとかK君の機嫌を直してもらおうとしました。Nさんに対するK君の誤解を解かなくてはと思っていたのですが、本当に解かないといけないのは私との誤解なんじゃないかと思うようになりました。

 高校の時のアルバムを見ながら、そこに映るK君に口づけをしました。頭の中で愛してると言いながら口づけしたのです。すると幽霊は私の顔をイーッという風に歪めました。K君は私のことを気持ち悪いと思っているのだと思いました。だから嫌な顔をするのだと思っていました。

 幽霊のいやがらせがなくならないまま一晩明かすことになります。いやがらせのせいで一晩中寝られなかったのです。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんはまたちょっと左足に震えが出てきています。一時全くなかったのに、昨日ぐらいからまた少し震えが出ています。でもこれも波の一つだと思って、やり過ごそうと思います。そう急にはいやがらせはなくならないでしょう。なくなって、また少し出て、またなくなって、っていうのを繰り返していなくなっていくのだと思います。主治医の先生は

「前より良くなってますしねぇ」

と言っていましたが、本当に分かるのでしょうか?そんなに接してないし、私も

「いつも通りです」

とかしか言ってないのに、私は前より良くなっているようです。本当かな?まぁ診察は相変わらずということでいいんじゃないでしょうか。