幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

障害者雇用で働きたい。阿部さんの家のピンポンを押した。

    こんにちは。花子です。

 

    最近は元気になったり、しんどくなったり、色々です。でも気持ちが前向きになってきたのか、働きたいと思うようになりました。私には普通のアルバイトとかは無理です。障害者雇用で働きたいと思っています。

    ちょっと前まではデイケアの人が何人か行っている作業所で働けたらと思っていました。知り合いがいるし、人間関係も良いと聞いているので、そこがいいかなと思ったのです。でもそこは電車代がかかります。働くのは時給390円で2時間程度だと聞きました。電車代を考えたら、利益があまりありません。混んだ電車に乗るのも嫌ですし、徒歩で行けるところを考えています。幸い徒歩で行けるところに作業所があります。そこで働けたらいいなと思っています。

    前にデイケア精神保健福祉士さんとその作業所の近くの障害者支援センターに行きました。その時は、母が役所の父母会で、早いうちからなんでも相談できる人を作っておかなければならないと聞いたので、そこに行くことにしたのでした。でもそんなに急がなくても大丈夫だと言われました。何かあった時はいつでも相談していいそうです。だからもうちょっとこの病気が良くなったら、仕事を紹介してもらおうと思います。まずはデイケア精神保健福祉士さんに相談します。まだ先の話ですが。

    あと3年で発病してから10年です。それぐらいの頃には幽霊さんもいなくなっているでしょう。まだいたとしても、仕事ができるくらい回復しているでしょう。3年を節目に考えていきたいです。働きたいなぁ。

 

    またいつものです。

    の子さんに会いに行くためにまた歩き出しました。歩こうとしたのですが、幽霊が足を動かすのを邪魔してきて、足がうまく動きませんでした。私はそれをの子さんがもう帰れと言っているからだと思っていましたが、会うまでは帰れないと思い、頑張って歩こうとしていました。の子さんが私の体を離してくれると私の体は自分の意志で動かせるのだと思い、頭の中で

「離して、離して」

と言っていました。しばらくそうしているとだんだん自由に歩けるようになり、やみくもに歩き続けました。

    全然知らないところを適当に歩いていたのですが、やがてある駅の近くまで来ていました。視線の行く先にの子さんがいるのだと思い、視線の行く先を歩き、あるアパートの前まで来ました。実はの子さんには阿部さんという友達がいるらしいのですが、この時偶然阿部という表札の部屋の前に私は立っていました。そこでの子さんはきっとその近くにも家を持っている阿部さんのところに来ていて、私が来るのを待っているのだという考えが浮かびました。ある考えが浮かぶとそれはすぐに私の中で事実に変わりました。

    扉を開けようとしましたが、鍵がかかっていて開きませんでした。頭の中での子さんに

「ピンポン押すの?」

と訊くと、顔は笑顔になり、首がうなずくように縦に振れました。なので実際にピンポンを押したら、若い男の人が出てきました。私はとっさに

「間違えました」

と言い、すぐにそこから離れました。

    電車に乗って、家まで帰りました。電車の中で私は

「の子さんは絶対にこんなひどいことはしない」

と思いながら、泣きそうでした。それじゃあどうしてこんなことになったかと言うと、そこまでは考えが回らず、ただの子さんじゃないとしか思えませんでした。家に帰る途中コンビニでパスタを買い、家に帰って食べました。それから父が料理をするのを見ながら、頭の中での子さんに何か語りかけていました。どういう内容だったかは忘れてしまいましたが。

    今日はここまでです。本当はもう少し書きたかったのですが、ちょっとしたハプニングで短めになりました。すみません。

 

    最近の幽霊さんはまだまだいなくならなさそうです。詩を清書してたら手が変になったし、デイケアではしんどくならされるし、変な顔にさせてくるし、料理中には足を震わされるし、大変でした。でも今まで7年間も頑張ってきたんだもの、あと3年ぐらいは耐えられると思います。絶対幽霊さんはいなくなる、そう信じたいです。せめてデイケアでしんどくならすのはやめてほしいなぁ。