幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

詩「晴れる」。看護師さんと散歩へ。

 こんにちは。花子です。

 

 まずは詩です。

「晴れる」

誰かこのもやもやしたものを、フーッと息を吹きかけて、晴らしてはくれないだろうか

心が、体が、もやもやしていた時にそう思った

体中を嫌なものが支配していた

嫌な気持ちが、何をしても晴れなかった

 

自分で自分を苦しめていたのだけれども、知らなかった

ただ自分が苦しめるのをやめたらいいだけだったのかもしれないけど、どうしたらいいか分からなかった

苦しめている自分をやっつけることはできなかった

やっても自分が傷つくだけだし、そんなこと望んでいなかったのだけど

 

いったい何が不満だったのか分からなかった

でも何かもやもやしていた

体なのか、心なのか、もしくはその両方なのか

誰かにそのもやもやを消し去ってほしかった

誰かがフーッと息を吹きかけてくれれば、消え去るような気がしていた

 

でも現実は違った

そんな人どこにもいないのだ

誰かがもやもやを持ってきたのではなかった

もやもやは自分の中から湧き出てきたものだったのだ

だから自分で消し去らないと駄目だったのだ

 

なんとなく憂鬱だった

なんとなく悲しかった

悲しい、この気持ちをどうしたらいいか分からなかった

誰かに助けてほしかったけど、そんなこと無理に決まっていると分かっていた

助けて、そう心の中で呟いていた

自分にしか自分は助け出せないのだけれど、どうしたらいいかなんて分からなかったし、誰も教えてくれなかった

 

私の天気は曇りだった

体中がどんよりとしていた

時に雨が降った

晴れの日がどういう状態なのか分からないくらい、私にかかった雲は分厚かった

今日の私の天気は晴れですと言える日が来るのを待っていた

そして晴れの日が一生続くことを願っていた

 

ある時体がふっと軽くなった

体中を支配していたもやもやがなくなったようだった

誰かが吹き消してくれたのだろうか

それとも自然になくなったのだろうか

晴れの日が来たようだ

 

ずっと晴れの日が続くことはないけど、あの曇りだけしかない日々はもうやってこない

自分の力で自分自身を乗り越えたのだから

時には雲がかかり、雨が降ることもあるだろう

人と生きている限り、人間関係に思い悩み、涙が出ることもあるのだ

でももう自分で自分を苦しめることはないだろう

 

晴れの日も曇りの日も雨の日も、自然と同じように、私にもやってくる

基本的には晴れだが、曇りになっても、雨が降っても、それも人生の彩りだ

自分にまとわりついていたあの雲はもうなくなった

遠くへ行ってしまったのだ

あとは空が自然と移ろいゆくのを眺めるだけだ

 

誰かが私の中のもやもやを吹き消してくれたことに感謝しよう

それは自分だったのかもしれないが

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 Mさんとも散歩に行きました。Mさんは

「前に遠くまで行きすぎて、電話で早く帰ってきてくださいと言われたことがあったよ」

と言っていました。私との散歩は普通の距離でした。

 Iさんとも散歩に行きました。Iさんには事前に

「Iさんとも散歩に行きたいです」

と言ってあったので、時間を作って連れて行ってくれました。

 散歩しながらおしゃべりをしていました。Iさんは私に

「誰が一番優しい?」

と訊いてきました。私はIさんと答えたらいいのだろうけど、やっぱり本音を言う方がいいと思ったので、

「Mさんです」

と答えました。でもIさんのことも好きだったので、私は

「でもお気に入りって言ったら変ですけど、お気に入りの人がTさんとMさんとIさんなんです」

と言いました。それから

「Iさんも優しいですよ」

と付け足しておきました。この散歩の後しばらくはIさんに何か言った時には、最後に

「優しい人」

と付け加えていました。

 この3人以外の人とも散歩に行きました。女の看護師さんでした。

「どこに行きたい?」

と訊くので、私は

「どこでもいいです」

と答えました。看護師さんは

「どうしよう」

と言っているので、私は

「それじゃあ私がこっちに行きたいと思う方へ行くのはどうですか?」

というようなことを言ったのですが、無視されました。結局この看護師さんとはお決まりのコースを行って帰ってきました。看護師さんは

「そんなに長くなかったね」

と言っていました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは前に2回ほどしんどくならされました。手足の震えもなくなってないし、表情を変えられるのもなくなりません。それでも希望を持って毎日を生きています。いつか近いうちに幽霊さんがいなくなることを祈って。