幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

うちの家族はみんな頑張ってる。詩「頑張ってるのに」。幽霊と診察、再入院。

 こんにちは。花子です。

 私の兄は一時期満足に歯磨きができなかったからか、40歳で入れ歯が三つあります。今ではうちの中では誰よりも磨いている、というくらい磨いているのですが、また一本危ういのがあるらしいです。あんなに頑張ってるのに、毎食後入れ歯まできちんと磨いて頑張ってるのに、どうして努力は報われないのでしょう。あの時期に磨けなかったのは決して兄のせいではありません。でも原因はそこにあるようなのです。質のいい歯ではあるのですが、歯茎か根っこによくないところがあるようです。舌の体操もあるのですが、兄はやりません。それは歯医者さんにも分かるようです。努力は報われない、なんてことはないでしょうけど、全て自分の思い通りにはなりません。思い描く未来のために努力しているのに、全て完璧にというわけにはいきません。それでも未来のために頑張るしかないのです。

 母も頑張っています。歩くのが困難になってきたので、家の中で歩行訓練のようなことをして、できればいつまでも杖などなしで歩きたいと頑張っているのです。毎日私は母と昼ご飯を調達するために外を歩きます。コンビニのイートインやカフェなどでお昼を済ませます。それから買い物に行って、また歩いて帰ってきます。少し休憩してから、今度は夕方散歩に出かけます。川沿いの道を約1時間歩くのです。これで母の歩幅なら一日一万三千歩くらいなのです。ゆっくりしか歩けなくなりました。それでも母は前向きに努力をし続けます。私にできることは母と一緒にゆっくりと歩き続けることなのです。母も未来に向かって頑張るしかないのです。

 父は今までよく頑張ってきました。体を使う仕事を70歳近くまで頑張ったのです。そして今は晩ご飯作りをやってくれています。昔ほどしんどくはなく、だいぶ楽になったと言っています。料理は得意なようです。最近は本当に毎日毎日料理をしてくれています。私もやるべきなんでしょうけど、疲れました。またあんなにしんどい思いをするのは嫌なのです。父のボケ防止だと思って、可能な限り任せたいと思っています。後片付けくらいは私にもできるので、たまにできないですが、やるようにはしています。

 さあ私は何を頑張っているでしょう。筋トレもあまりできなくなり、家事も少ししかできず、ブログも気まぐれに書いてるだけです。それでも文章を書くことは続けています。詩のようなものもなんだかんだで月に一回くらいは書いています。Xにポストするのも再開しました。私の頑張りも今のところ全く結果が出てないですが、きっと今ではないのだと思い、辛抱強く努力し続けます。私もまだ見ぬ未来に向かって頑張るしかありません。

 

 まずは詩です。

「頑張ってるのに」

頑張ってるのに、あんなに頑張ってるのに

どうしてこうもうまくいかないんだ?

みんな頑張ってる

私だって頑張ってる

どうしてこうなったんだ?

頑張れば頑張るだけ努力は報われるんじゃないのか?

みんな言うじゃないか

「努力は裏切らない」とか「努力は必ず報われる」などと

じゃあなんでこの世はこんなに不公平なんだ?

人生うまくいかないことばかりじゃないか

何をどう努力したらいいの?

それすら分からない

 

働きたいけど、今はまだ早い?

働くことはたぶん私が思っているより大変だ

こんな私が働ける時が来るのか?

頑張りたい、頑張って働いてみたい

でもそれはまだ先の話

今は何をしたらいいのだろう

 

生きていたら得るものもあるだろうけど、なくしてしまうものも多い

どんなに頑張っても、手からポロポロとこぼれていく

ちょっと待って、まだ早い

それをなくしてしまうのはまだ早い

だってあんなに努力していたじゃないか

どうして神様は助けてくれないんだ?

すべて自業自得だと言うのか?

せめて頑張った分だけ報われてくれないか?

でもいずれは全部なくなるのだけれどもね

この体もいつかは焼かれて灰になってしまう

それでもなくしたくない

本当は何もなくしたくない

どんなに手を伸ばしたって、つかめない

あっちとこっちに手を伸ばしたら、よくばりすぎで、どちらもつかめない

せめてひとつだけでもと思っても、何をつかめばいいのか分からない

つかむべきものが見えない

どこに何があるのか分からない

つかめばどうなるのか分からない

 

私は今何をしたらいい?

誰か教えてくれないか?

神様、いるのなら私をここから連れ出して、見たことのない世界へと導いてくれないか?

どんな未来も予測できるようで、なんだかちょっとつまらない

新しい人との出会いを、新しい人生を

どうか私に与えてはくれないだろうか

今できる努力、それが何かはよく分からないが、せめて分かるところは頑張ってみようと思う

それぐらいしか今の私にはできないのだから

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 診察室で主治医の先生とこんな話をしたことを覚えています。私が

「この前の入院の時、色んな人が入ってきていると思ったのですが、実は幽霊ひとりだったんです。一回は出て行ったんですが、私が呼んでしまって、また入ってきました」

と言うと、先生は

「そうですか。この前はどうして出て行ったんでしょうかね」

と言いました。すると私の頭の中に

「自殺未遂したから」

という言葉が浮かんできました。そうしたら幽霊が私の口を使って、ヒソヒソ声でだったのですが、最大のヒソヒソ声で、

「自殺未遂したから」

と言わせてきました。先生は

「それは違う。自殺未遂した後もいてた。ちゃんと記録に残ってる。いなくなったのはお薬を飲んでたからだ」

と言いました。それでも幽霊は

「自殺未遂したから」

と言っていました。

 どんな話をしたか、一部しか覚えてないのですが、30分くらいは診察室にいたようです。兄も心配になって様子を見に来ていたそうです。

 またI病院に入院することになりました。T神経科で診察を受けたのも、I病院に行ったのもどちらも夜でした。一旦家に帰ったのか、T神経科から直接行ったのか分かりませんが、たぶん直接だったと思います。

 みんなが寝静まる頃にI病院の亜急性期病棟へ入りました。3人ぐらいの看護師さんが私の体をベッドに縛りつけました。足だけは自由だったので、幽霊が私の足をジタバタさせていました。それを見に来た看護師さんは

「勝手にやっとけ」

と言いました。なぜそんなきつい口調で言われたのか分かりません。

 それに、唇を舐めるとチュッという音がして、幽霊はそれを聞いて、愛し合っていた時のことを思い出したらしく、ヒソヒソ声で

「唇舐めるなー」

と言っていました。あんなに愛し合っていたのに、私が幽霊を裏切ることになってしまって、悔しくてそう言ったのでしょう。

 この日はこれで消灯したので眠りにつきました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんはだいぶおとなしくなりました。用事があって出かけてもそれほど疲れないし、しんどくならされることもなくなりました。本当に楽になりつつあります。このまま何もなくなって、幽霊さんのことを考えなくてもいい人生にしたいです。