幽霊に取り憑かれた花子

統合失調症患者の妄想と現実

私には生きてる価値があるし、誰にだってあるものだ。詩「早く早く」。眠りすぎてしんどい。

 こんにちは。花子です。

 ある文学賞に応募するエッセイを書いてみました。割といつも「私には何も書けない。私には何の才能もない」なんて思って悩んではいるのですが、書こうと思えば書けるものです。このブログもしょっちゅう書けないと思っていますが、書いてみると書けるものです。毎日外を歩いて、何かしら考えようとしているのですが、頭の中では音楽が流れているだけで、大して何も考えていません。時々思い浮かぶこともありますが、文章にすれば一二行で終わってしまうようなことばかりです。今日は「私は恋に恋してる」という文が浮かんできました。でもただそれだけです。誰か好きになれる人がいないかなぁと思いつつ、私はいつも誰かに恋してる訳ではなく、恋に恋しているのだと思います。学校でも好きな人はいましたが、あの子もかっこいいし、あの子も素敵、あの子は優しいし、あの子は魅力的、なんて思って、一人には決められず、結局誰とも恋することなく卒業しました。まぁ誰かいたとしてもきっと私にはどうにもできなかったとは思いますが。

 私は人並みに働いて生きていけないことに罪悪感を抱いています。アルバイトでもしてお金を稼がなくてはと思うのに、何もしてなくてもしんどくなるのです。ただ人に生かしてもらっているだけなのに、しんどくなるのです。これはもうどうしようもありません。私はこの世で生きてても死んでても同じ、とまでは言いませんが、社会参加ができていないことに変わりはありません。私の生きてる価値を人が決められるのなら、今の私には生きてる価値はありません。だって全く働いていないのですから。誰かのためになるようなことができてないと、人には生きてる価値はないのです。なんて思っている人は多いでしょうけど、みんながみんなそう思っている訳ではありません。少なくとも私の家族は私に価値がないとは思ってないでしょう。私は家族の役に立つことはやっています。私はこんなんでも生きてていいのです。

 人の生きてる価値はこの世の人が決められる訳ではありません。きっとこの世を統べる何者かが決めていることなのです。この世に生きてる価値のない人はきっとすでにこの世にいないでしょう。この世にいる人には全て生きてる価値が存在しているのです。でも誰かが自分の価値を否定してくる、そんな時がきっと誰にでもあるでしょう。しかしこの世に生きる人の存在価値を決められるのは私達ではないのです。だから誰かに「お前は生きてる価値がない」なんて言われたとしても、「そんなことを言うあなたの方こそ価値がないんじゃないですか」と心の中で思っていればいいのです。人は私達のことをほとんど何も知りません。自分のことを一番知っているのは自分なのです。だから誰かに何を言われても、「あなたは私の何を知っていてそんなことを言うのですか?この世の何を知っていてそんなことを言うのですか?一体どんな立場にいる人間なのですか?神様ですか?」などと思っていればいいのです。この世に自分より偉い人なんて存在しないのですから。なんて人を敬えてないように聞こえるかもしれませんが、尊敬できる人はいます。でも私を否定して存在価値を決められるような人はいないのだと言いたいのです。そんなことできるのは神様くらいです。みんなの命は平等にあるのです。私達は同じ地球で生きる、同じ人間なのです。だから蹴落とし合いなんて無意味なのです。みんなが平等に繋がり合える、そんな世界を目指している人はいっぱいいます。私もその一人です。みんなで生きやすい世界を作っていけたらと思うのですが。

 

 まずは詩です。

「早く早く」

早く早く

早くしないと間に合わないぞ

早く完成させないと、未来に困ったことになるぞ

 

本当に早くしないといけないの?

ゆっくり、のんびりしててもいいんじゃないの?

誰が早くすることを望んでいるの?

それは私か?

いや、私はゆっくりしたいと望んでいるはず

それじゃあなぜ私の頭の中では早くと聞こえるのか

どんなに努力してもどうにもなってない今が私を急かすのだ

どうにかなって、書くことが求められるという未来が早く早くと言うのだ

 

未来のために今書けることを、今すぐ全部書かないといけない気がする

でも未来なんてどうなるか分からないじゃないか

未来の自分が今の自分よりできないなんて決めつけるのはよそう

きっと今よりもっとできるようになっているはず

 

でもちょっと心配になる

いつか何も書けなくなるんじゃないか?

私の中から言葉が出尽くして、もう文章なんて書けないようになるんじゃないか?

そんな日が来るような気がして怖い

 

でも何も書けなくたって、私は生きていける

夢が叶わなくたって、私は生きていける

今、私は生きていけてる

この先も確実に生きていけるだろう

 

早く早くと言っても、早く死にたいわけじゃない

時間を無駄にすることなく生きたい

いつかひとりになったとしても、この今を振り返って、楽しかったなと思えればいい

でも早くひとりになりたいわけじゃない

本当はいつまでもこの大事な人達と一緒にいたい

今私にできるのは、可能な限り大事な人との時間を大切にすることだ

できるだけ一緒にいて、楽しい時間を共有したい

 

早く時間が経ってほしい時もある

でも早く時間が経って、何もできずに死んでいくなんて嫌だ

時間は意識して大事にしないと、私達はすぐに粗末にしてしまう

人生なんて一生暇つぶしなだけだけど、どうつぶすかが大事なのだ

生きている以上何もしない状態にはなれない

何のために何をする

そうじゃなくて、何をしたいから何をする、だろう?

死ぬために生きてるんじゃない

ただ生きていたら終わりが来てしまうというだけだ

 

今やりたいことをやろう

それも早くじゃない、ゆっくりのんびりだ

いつか本当に急かされる時が来るかもしれないが、その時はうまく対処できるようになっているはずだ

早く早く、そんな言葉忘れてしまえ

私の時計はゆっくり回る、そうだろう?

 詩はここまでです。

 

 さて、いつものです。

 ある時私の頭の中に

「誰か来てー」

という言葉が浮かんできました。すると幽霊はその言葉を私に叫ばせました。すると男性の看護師さんがやってきて、

「誰か来たよ」

と言ってくれました。私が

「かっこいいですね」

と頭の中で言うと、また幽霊がそれを言わせました。看護師さんは

「でしょ?よく言われるよ」

と言いました。特に害のない言葉でしたが、幽霊に言わされるとすごく不快でした。

 起きていたら幽霊に叫ばされたり体を動かされたりするので、可能な限り眠っていました。でもいくら寝られる環境にあったとはいえ、眠るのにも限界があるので、昼間は起きている時間もありました。その時にはやっぱり叫ばされていたと思います。

 あまりにも目を瞑っている時間が長いと、近くのものが見えづらくなるとこの時はじめて知りました。夕食後ちょっと自由になる時間がありました。だから私は病院に置いてある漫画を読むことにしました。しかし漫画のセリフの文字が小さくて見えないのです。ずっと寝ていたらこうなるのかと驚きました。

 しかも寝てばかりいたので、起きるとものすごくしんどいのです。ちょっとでもマシになるようにと、夕食後の手足が自由になる時間にストレッチを少しだけしていました。それでもしんどいのはなくなりませんでした。

 看護師さんが病棟内の散歩についてきてくれた時もありました。詰所で看護師さん達がミーティングをしていたので、

「参加しなくていいんですか?」

と訊くと

「僕はもう帰るし、いいんだ」

と言っていました。

 幽霊が私に叫ばせたりなどして、私が変な行動をとっていたので、ほとんどお風呂に入っていませんでしたが、たまには入っていました。出てから髪を乾かしてもらっていたら、向かいの椅子に見たことある人が座っていました。この前の入院の時にOTで一緒になったことのある人でした。でもほとんどしゃべったこともないし、向こうも覚えてないと思い、声はかけませんでした。幽霊のいやがらせでそれどころではなかったというのもあります。

 この時私の髪を乾かしてくれていた人は、見かけが細く色黒でタバコを吸っていそうな声をしていて、なぜか私の中に「下種な人」という言葉が出てきました。でもいくら猥褻語を叫ばされたとはいえ、こんな人を傷つけるようなことは絶対に言わされたくありませんでした。だから頭の中で必死にその言葉を打ち消そうとしました。打ち消すことはできませんでしたが、幽霊にこの言葉を言わされなかったので、ほっとしました。

 今日はここまでです。

 

 最近の幽霊さんは相変わらずですが、そんなことより私自身の体調があまり良くないので、どうでもよくなりつつあります。前みたいに「早く出ていってくれたらなぁ」なんて思い続けることはなくなってきたように思います。まぁいつか出て行ってくれるでしょう。なんて本当は今すぐ出て行ってほしいのですが。