こんにちは。花子です。
まずは詩です。
「知り合い以上友達未満」
あなたはひとりだった私に声をかけてくれた
私だったら話しやすいと言ってくれた
でもそれはあなたの中では勘違いだったんだ
だから私からしたら思わせぶりなことをしてしまったんだ
私も勘違いしていたのかな
あなたにとって私は特別でもなんでもなかった
他のみんなと同じ、もしくはそれ以下だったのだ
私の中ではあなたは他の子とは全然違う、特別な存在だったのに
好きだった
私とはちょっと違う気がしていたけど、友達だったらいいなと思っていた
憧れていた
でもあなたにとって私は邪魔なだけだったんじゃないか
友達がたくさん欲しいあなたにとって、私はただ足を引っぱるうっとおしいやつだったのだろう
私だけと仲良くしてほしかった
私が一番で、本当の自分になれるのは私の前でだけだと思ってほしかった
でも私はあなたにとってただの知り合い、もしくはただの同級生なのだろう
私はあなたに要求しすぎた
だからあなたはこれだけしてやっているのに、まだもっとって言うのかと思っていたはずだ
それであなたの好意を感謝して受け取るならまだよかったかも知れないが、私は当たり前のような態度をとっていた
それならあなたが私の前からいなくなるのは当然だ
もっとうまく気を使えていたらよかったのに
でも後悔してももう遅い
あなたは遠く離れたところに行ってしまった
いや本当は初めから遠かったのだろう
私が思い違いをしていただけなんだ
手を伸ばしたって届かない
どんなに声を振り絞ったって、あなたの耳には届かない
また会えるかもしれないと思っていたうちは、いつかきっとやり直せると思っていた
でももう完全に道は絶たれた
私はもう一生あなたとは友達になれない
もう私のことを思い出すことはないだろう
私はこんなにあなたを思っているのに
詩はここまでです。
次はいつものです。
何日眠っていたか分かりませんが、私は目を覚まします。前に書いたように、5点拘束されて、紙おむつをして寝ていました。ベッドのそばに看護師さんが座っていました。この時の光景は今でもはっきりと覚えています。部屋の中は薄暗い感じでした。すぐにおむつが取られましたが、拘束はそのままでした。
幽霊のいやがらせはまだ続いていました。目が覚めてからしばらくするまで私は頭の中で必死に戦っていました。K君とだったかもしれませんが、この時はもうK君が私の中にいる気はしてなかった気がします。それに体の中から湧き起こる震えをどうにかしたいとも思っていました。
でもある時ふっと頭の中のざわめきがなくなりました。それまでは私の思ったことが繰り返されたりして、頭の中がざわついていたのです。そこで私はK君や大介さん達はいなくなったのだと思いました。
しかし幽霊のいやがらせは続いています。それがどういうことかなんて考える余裕はありませんでした。何しろK君はもういないので、説得すればいいというわけでもなく、ただ原因不明の体の異常だったわけですから、私にできることは何もありませんでした。
先生に
「中に入っていた人がいなくなりました」
と言いました。でも私が横になっているばかりで、元気になったようには見えなかったみたいで、ある時主治医の先生が他の先生を連れてきました。この先生は私に
「体はどんな感じですか?こわばる感じ?」
と訊いてくるので、私はなんとなく違う気もしましたが、
「はい」
と言いました。私が今まで“体がこわばる感じ”と書いていたのは、この時そう訊かれたので、それが私の状態を言い表すのに一番近いかなと思っていたからです。この先生はすぐにいなくなりました。私がこの先生を見たのはこれが最初で最後です。
今日はここまでです。
最近の幽霊さんは相変わらず毎日出てきます。手の震えも足の震えも、顔を歪められるのも、なかった日はありません。でも主治医の先生は前よりは減っていると思っているみたいです。正直減ってるのかどうなのかはいまいちよく分かりません。でもいつかいなくなることを願って、毎日を過ごしていきたいと思います。